「そういえば結婚したんだよね?
おめでとう蓮司」

「さんきゅっ。
来月挙式なんだ。朝陽も二次会来てくれよ。
うちの総務課で働いてんだ。
今度紹介する」

「へ~、専門時代から無愛想で女をよせつけなかった蓮司にそんなデレッデレの顔させてる奥さん早く会いたいな」

と冷やかしながら俺の背中をバシバシ叩いた。

「そういう朝陽は?

まだ家に戻らないのか?
いつまでYAMASE で働くんだよ」

「ん…あと少し。
もう少しだけここで働きたいんだ。

ここで働く目的はさ、もうなくなっちゃったんだけどここへの異動の話がきたからさ。

私が新工場長を支えてあげないとさ」

朝陽が一瞬寂しそうな笑顔を浮かべたが、すぐにその表情を引っ込めて綺麗な笑顔で俺に笑いかけた。