「碧と別れてからは、不誠実に付き合うことはやめたんだ。

だから俺はいつも不機嫌で無愛想にして女が寄り付かないようにしてきた。

だけど…碧の時とは違う、本当に大事で愛しいくて、絶対に手にいれたい子を見つけたんだ。

誰にも渡したくなくて、だけどなかなか近づけなくて二年も黙って見続けて。

手に入れたら絶対に手放したくなくて、たった紙切れ一枚の束縛かもしれないけど俺のものにどうしても早くしたくていろいろ急いだ。

明莉の気持ちがまだついてきてないんだよな?

ごめんな。

でもさ、俺よりいい男なんて山のようにいるけど、こんなにも明莉が好きなのは絶対に俺が一番だからな!

格好悪い俺を全部さらけ出せるのは明莉だけだから」

すごく必死な蓮司に思わず笑みがこぼれる。

格好悪い姿にようやく私は気がついたけれど、でもそれすらも愛しくて格好良いと思う私は重症だ。

「うん、全然格好悪くないよ。

どんな蓮司も全部私は好きだから。

素の私をさらけ出すのは少しずつ、うん、思ったことはなるべく口にするから。

だから私を他の人と比べたりしないで?

それがずっと不安で心配だった。

ねぇ、また一緒にご飯作ろう?

一緒に寝たりお風呂にはいるよりも私はそういうこと蓮司とやりたい」

上目づかいに見上げると、蓮司はふっと笑って口角を上げて

「そんな可愛い顔で煽られたら、ご飯は作るけど風呂も毎晩明莉を可愛がるのもやめられるわけないだろ?

とりあえず仲直りでいいよな?」

近づいてきた顔に慌てて目を伏せると、そっと重ねられた唇は優しく何度も重ねられて…それはいつのまにか深いものにかわり、夕飯もケーキも蓮司が私を美味しく食べた後に、ようやく私は口にすることができた。