「私って我が儘なのかなぁ」

ため息をつきながらモヤモヤしている私の胸の内を菜摘に漏らす。

ストローでコップの氷をかき回しながら、初カレから一気に旦那様になってしまった蓮司への想いが膨らみすぎてどうしていいのかわからない。

「香田さん、今までは絶対笑顔なんて見せないし、無愛想で話しかけづらかったもんねぇ。
フロントマンになったっていうのもあるけど、明莉と結婚してからなんか雰囲気変わったよね」

ニヤニヤしながら菜摘が私を見る。

「家では明莉にデレデレなんじゃないの?
明莉の旦那様なんだから思いっきり甘えて我が儘言えばいいのに。
その方か香田さん喜ぶよ。

あーぁ、いいなぁ、あんな格好いい人が旦那様なんて。

もぉ、毎晩愛されまくりなんじゃないの?」

菜摘の言葉に一緒でポンと赤くなる。

昨日のバスルームに連れ込まれた一連の出来事が脳裏に浮かんだ。