「あ…雪…」

「んー?お。ほんとだ。道理で寒いと思った」


コタツで2人寝っ転がり手を繋いだまま。


片方だけカーテンが開いている窓の外を眺めた。


「今年も一緒で良かった」

彼女がそう言うと、彼はくしゃりと陽だまりのような笑顔を零して、

「此方こそ」


と、繋いだままの手にキスをしてくる。


最初は、3ヶ月くらいで終わると思っていた、恋心。


身分の違い、立場、年の差……。
2人の間には幾つもの障害があって、それから逃れようともしたし、周りからも祝福の言葉をあまり受けられなかったけれど…。


「お前がいなきゃ生きていけない」


そう、彼が彼女の手を取った時から、世界はガラリと色を変えた。