君は同期で幼馴染で××で

「僕?もちろん、こっちで働くよ。見て見て、ここにしたんだよ!」

じゃーん!と効果音付きで見せてくれた採用通知に、驚きのあまり固まってしまった。

「おーい、真紀ちゃーん」

「な、なんで?」

やっとの思いで、声を発した。

「ん?だって、僕お菓子好きだし、勤務地も引っ越す必要がないしさあ」

そう。陸が見せてくれたのは、私と同じステラの採用通知だった。

「真紀ちゃんは?どこに就職するの?」

興味津々で聞いてくる陸。

「……同じなの……」

「えっ?」

「陸と同じ、ステラなの」

「ええ!!真紀ちゃんも受けてたの?しかも、ステラに決めたの?」

陸も、心底驚いていた。
でも、なんだかすごく嬉しそうだ。

「すごい偶然だね!真紀ちゃんは引っ越すの?」

「ううん。お金もかかるし、しばらくはここに住むかつもりだよ」

「じゃあ、まだ僕達はお隣さんなんだね。僕は真紀ちゃんにとって、一番近い男子で、気心知れたお隣さんで、同志で同僚になるんだね。ここまでくると、本当にすごい縁だよね」

「ほ、本当だね。私、驚きすぎてちょっと混乱してる」

「なんで?いいじゃん、そんなに難しく考えなくても。同僚の次は何が並ぶのか、なんか楽しみになってきたよ」

はしゃぐ陸を横目に、いまだに情報処理の追いつかない頭を抱えた。
弥生……就職しても、陸との距離はできないようだわ。