君は同期で幼馴染で××で

就職難のこのご時世、幾つもの不採用の通知を受け取ったものの、２〜３の採用通知ももらえた。その中から、私が一番興味のあった製菓メーカーの、ステラに就職を決めた。職種に興味があったのはもちろんのこと、勤務地も今住んでいるマンションから通える利点もあった。

家族も、せっかく採用してもらえたし、私のやりたいことならと、そのままこっちで就職することに賛成してくれた。



「真紀ちゃん！！就職先は決まった？」

卒論も無事に提出して、久しぶりにゆっくりすごしていた休日の昼下がり、隣に住む陸が、暇だからってうちにやってきた。

「うん。決まったよ。陸は？こっちで就職するの？」

そう言えば、陸と就職の話をすることはあまりなかった。陸はどこに就職するんだろう？優秀な陸のこと。きっと、いくつもの採用通知を受け取ってるんだろうなあ。