改めて真紀ちゃんを見ると、真紀ちゃんの容姿は贔屓目なしで本当に可愛くて、かなりモテていたと思う。
小柄で、肩まであるふわっふわな天然パーマ。目はぱっちりとした二重。
どこをとっても可愛くて、いつか誰かにとられるんじゃないかって不安になった。

自分の気持ちに気付いてからは、ますます真紀ちゃんにべったりくっついていた。他の男子が近付かないように、必死に牽制した。まあ、真紀ちゃんは気付いていなかったけど。

そんな僕の気持ちは、すぐに母親にばれた。
最初は気恥ずかしかった。
だけど「真紀ちゃんが娘になるなんて、嬉しい!!」って、真紀ちゃんのおばさんと結託して、いろいろな情報をくれるようになった。

味方は、真紀ちゃんの弟の直人くんも加わり、終いには両方の父親も知るところとなった。

中学生になる頃には、真紀ちゃんのおじさんから、本人のOKが出れば、真紀ちゃんをお嫁さんにしていいと許可までもらっていた。

これだけ周りは僕の気持ちに気付いていたというのに、肝心の真紀ちゃんだけは全く気付いてくれなかった。いつまでも僕は、幼馴染で親友というポジションだった。

成長するにつれ、ますます人目を引く容姿になっていく真紀ちゃん。
何度想いを伝えたいと思ったことか……でも、今言っても良い返事がもらえないことはわかっていた。だから、真紀ちゃんが僕を意識してくれるまで、いつまでも待つ覚悟をしていた。