あれは……小学校3年生ぐらいだっただろうか?相変わらず、僕は真紀ちゃんにまとわりついていたんだけど、この年は違うクラスになってしまい、離れている時間が多かった。
優しくて明るい真紀ちゃんの周りには、いつもたくさんの友達がいた。


次の授業のため、音楽室に向かっていた時、通りすがりにふと真紀ちゃんのクラスを覗いた。
真紀ちゃんは、教室の真ん中あたりで、男の子と2人で楽しそうに話していた。何を話していたのかはわからないけど、突然、僕の中に言いようのない黒い感情が湧き起こった。

真紀ちゃんに、僕以外の他の男の子と話して欲しくない。しかも、2人っきりでなんて……


ー真紀ちゃんは、僕のなのにー


それが、真紀ちゃんへの恋心を自覚した瞬間だった。
それまでは、親友として大好きだと思っていた。でも、いつのまにか〝好き〟の種類が変わっていて、僕は真紀ちゃんを女の子として好きになっていた。