なぁ、やっぱり俺お前のこと好きになれてよかった。


"教師と生徒"この関係がいつも俺の行く手を阻んだ。

だめだって知ってた。
否定されるかもしれない。


こんなこと言っていい立場じゃないのもわかってる。



それでも言う。好きになれてよかったーー。



「結歌」


つぶやいた言葉は儚く空へと消えていく。

一度しか呼べなかった名前。もっともっと呼びたかった。


ーーだから、いつかまた。



想ってもらえるってこんなにあたたかいんだな、ひとを想うってこんなにあたたかいんだな。

ひとを好きになることに性別も年齢も関係ない。



フッと笑みが零れた。涙をふいて見上げる空はテレビで取り上げられている絶景よりもずっと輝きを放っている。


心に重くのしかかっていたものが崩れていく。

曇っていた心が晴れていく。


ちゃんとお前のために何かできてたんだな。

杞憂に過ぎなかったと今日知った。


きみが教えてくれた。




俺ここにくるの最後にするから。