「何もできなかった」って思ってたら怒るよ?

私は先生がいたからここまでこれたの。ここまで生きてこられたの。先生がいたからがんばれた。

少しでも長く生きて先生と一緒にいたいと思った。

だから、そんなことぜったいに思わないでね。

これも約束。




先生って何回呼んだかな?

もう呼べなくなるんだね。

先生、最期なんて思いたくないけれど、こんなこと言いたくないけれど、これからもよろしくねって言いたいけれど、

今までありがとう。

先生は私の一番星でした。



結歌








「はぁ……っ……」

急いで両目を押さえたけれど、そんなものじゃ足りなかった。


「先生、どうしたの?」

もうきみの声は聞こえない。溢れる涙が文字を濡らしていく。きみが落とした涙の上に自分の涙が重なっていく。


なぁ、この手紙どんな気持ちで書いたんだよ?


自分だって泣いてるくせに。


なんで自分の死を間近にして俺のことばっかりなんだよ。


ほんとうはこわかったくせに。

もっともっと泣きたかったくせに。