冷酷王子は子リス姫を愛でる

それを悟られないように、部屋の外にいるアレンに土産を持ってくるように伝えた。



すぐに持ってきてもらった箱の中。



「これは…完熟前のトマト…ですか?」

「いや、秋にしか実らないホワイトトマトというらしい」

「初めて見ました‼︎わぁっ‼︎カニっ‼︎とても大きい‼︎」

「好きに料理するといい」

「ありがとうございます‼︎とっても嬉しいですっ‼︎」



笑った…。



それは紛れもなく、俺に向けられた笑顔。



なんて可愛い顔をするんだろう。



俺に対して初めて笑った…。



「どこでこれを⁉︎」

「帰り道の市場に」

「市場ですか⁉︎羨ましいです‼︎」



また抱きしめてしまいそうだ…。



泣かれるだろうか…。



「殿下はカニがお好きですか?」

「まぁ、出されれば食べるが…」

「これで明日、料理を作ります‼︎」



さっきまで泣いていたとは思えない程の笑顔は、俺の心臓の鼓動をさらに早めた。