冷酷王子は子リス姫を愛でる

辛かっただろう。



よく知りもしない場所で、知り合いもおらずに。



さらに冷酷と謳われるこんな男の嫁にされるなんて。



キュッと握られた服と、小さく肩が揺れている。



止まらなくなってしまった涙を止める術を、俺は知らない。



抱きしめてしまった腕も、いつ離せばいいのかわからない。



それにしても…やっぱりいい匂いがする。



ついうっかり、ルイにするように、頭にキスを落としてしまった。



赤くなった目尻で顔を上げたら、俺の好きなキョトンとした顔。



「わ、悪い…癖で…」

「あっ、いえ…」



見る見るうちに真っ赤に染まる頬に、俺も急に恥ずかしさが込み上げてきて。



必死に言葉を探すしかない。



「み、土産だ‼︎土産があるのだが…。受け取ってもらえるか?」

「お土産…ですか?」

「今持ってくる」



心臓の鼓動が早い。



壊れてしまったんじゃないかと思うくらい、大暴走している。