冷酷王子は子リス姫を愛でる

着替えもしないまま、この前会った部屋へ。



「し、失礼いたします…」

「休みたいところに、呼び出してすまないな」

「なにか…気に触るようなことが…」

「なにを言っている…?」

「先程は挨拶もできずに…」



なんとも思ってないのに。



一目会えただけで、満足しているというのに。



「違う、そうじゃない…」

「私、どうしたらいいのかわからなくてっ…マリアンヌ様のように、できなくてっ‼︎」



泣きそうになっている。



なんでそんなに自分を責めているんだ?



「ごめんなさいっ…」



ポロっと目からこぼれた涙。



そうか、俺がコイツをこんな風に泣かせてしまったのか…。



そう思ったら、体が勝手に彼女を引き寄せていた。



「で、殿下…?」

「泣くな…」

「何を…」

「いや、泣いていい。故郷から離して、ひとりにして、こんなにも不安にさせてしまったのは俺だ。だけど…」



お前を国に帰すなんて、もう無理なんだ。



体に入る力が抜けたような気がした。