冷酷王子は子リス姫を愛でる

2日かかる移動は、途中に市場がある。



視察と称し、正体を隠して市場街へ。



「お兄ちゃん、買って行かないかい?」

「これはトマトか?」

「秋にしか取れないホワイトトマトだよ。安くしておくよー」

「いただこう」



買った物はトマトと、キングチキンという、魔獣の肉。



それに、この辺りでは珍しいカニを買った。



「まさかのお土産ですか?」

「宝石より、こっちの方が喜びそうだからな」

「殿下、楽しそうですね。こんな日が来るなんて…アレンは感激でございます…」



なんて、泣き真似をするアレンの頭を殴っといた。



色気のない土産を見て、アイツはどんな顔をするんだろう。



城を経つ前に会った時は、なんだかからかいたくなってしまって。



顔を真っ赤にして潤んだ目を見たら、『意地悪』心が疼いてしまったのだ。



早く会いたい。



会いたい人が待ってると思うと、こんなにも急いで帰りたくなるものなのだろうか。