冷酷王子は子リス姫を愛でる

頭の中がごちゃごちゃする中、そろそろ仕事に戻ると殿下が言うので、挨拶をしようと立ち上がった。



なぜか隣にやってきた殿下の手が、こちらに伸びてくる。



スッと1束、髪を握られた。



「綺麗な色だな。触ってみたかった」

「そんなっ‼︎こんな品のない色…」

「そんなことはない。私も髪と目の色が違うが…それも品がないと思うか?」

「とととと、とんでもないっ‼︎殿下の髪と瞳はとてもステキですっ‼︎カッコいいと‼︎思っ…いました…から…はい…」

「カッコいい?」

「私、何言ってるの?あははっ、恥ずかしい…聞かなかったことにしてください…」

「取り消すことはできないな。もう、聞いてしまった」



殿下は意地悪だ。



きっと真っ赤になってる私を、楽しそうな顔で見つめている。



恥ずかしすぎて、目に涙が溜まってきた。



「私はとてもこの色を気に入っている。では、5日後にな、キャサリン」



初めて呼ばれた名前は、耳元で囁かれた。



目眩がしそうなほどの色気を孕んでいる殿下の声は、いつまでも私の頭の中を占領していた。