翌日は最後の1人に会った。



「どうして私をお選びに?」

「特に理由はない」

「そうですか。私から断ることはできません。殿下がいらないのであれば、家に帰していただきたいと思っております」

「その訳は?」

「心に決めた相手が…」



コイツは家に帰そう。



魔力が合わなかったと、適当に理由をつければいい。



「承知した」

「本当に…よろしいのですか⁉︎」

「その想い人と幸せになることを願っている」

「殿下は…本当は優しい方なのですね」



そう言って、涙目で感謝をされたら、気分はいい。



俺の誤解が少し解けたんだ。



それが、なんだか嬉しかった。



そして、無性に会いたくなった。



アレンに連れてこさせよう。



「アイツも呼び出せ」

「それが…」



どうやら、寝込んでいるとのこと。



ここ数日で一気に冷え込んだ空気。



アイツの母国は穏やかな気候。



はじめての寒さに、体調を崩したようだ。