冷酷王子は子リス姫を愛でる

掴めない人。



極悪非道じゃない…?



「リーナ、殿下の噂って…」

「私にはわかりかねます。しかし、城内での殿下の評判はとてもよろしいですよ」



優しい人にしか見えない。



猫を抱き上げたあの腕。



悲しそうに見つめる瞳。



私はもしかして、噂に踊らされているだけなのではないだろうか。



「まさか殿下自らいらっしゃるなんて…。さすが正妃様になられる方です」

「ん?私が正妃?」

「はい。この白百合御殿は歴代の正妃様のお部屋なので」



う、ウソでしょ…?



私がこんな大国のお妃様っ⁉︎



「ダメよっ‼︎私には荷が重すぎるっ‼︎いちばん下っ端の側妃でいいのにっ‼︎」

「しかし、決定権は殿下におありですから。もしかして…ふふふっ」

「えっ、なに…?」

「なんでもございませんよー。あっ、アレン様から、ドレスを何着か作るようにとのことでしたので、早速衣装合わせしましょう」



やっぱり、帰りたい…。