それぞれが孤立していて、建物の間には柵もある。



「ここは…」

「歴代の正妃様、側妃様が婚約時代に過ごされるための離れです」



それを聞いて、さらに気分が落ちる。



やっぱり、私は婚約者なのか…。



「キャサリン様はこちらのお部屋になります」


白い建物で、汚れひとつない外観。



ドアを開けると、豪華な部屋が現れた。



「こちらがリビング、あちらにはベッドルーム、このドアの奥にはトイレやバスルームがこざいます」

「ありがとう、ございます…」

「そんなに、不安ですか?」



ふと聞かれて、顔に出してしまっていたことに今気がついた。



ジョアンがいたら、完全に怒られるな…。



そんな想いに、ジワッと涙が溜まる。



「キャサリン様…?」

「あのっ、これは…ジョアンも帰ってしまって…」

「心細いですよね。リーナがキャサリン様の専属に立候補していますが、いかがなさいますか?」

「リーナ…?お願いしますっ‼︎」


少しだけ、安心する…。