冷酷王子は子リス姫を愛でる

そうか、この上着はアレンが持って来たのか。



彼女からか。



甘い…。



暖かくて、いい匂いがする。



あれ?



やっぱり、他の女と違う…。



貴族の娘や、他国の姫からはこんな甘い香りはしない。



近くにいるだけでわかるほど、キツイ香水の香りばかり。



なんだ、この甘さは…。



その甘い匂いを胸いっぱいに吸い込んだ時、ふと、自分が変態なのではないかと笑えて来た。



「はははっ‼︎」



やっぱり、俺はアイツがいい。



あの暖かさと、この甘い匂い。



一瞬だけ震えが止まった時にした、キョトンとした顔。



可愛い…。



ん?



可愛い…。



それはルイに抱く感情であって、女に対して抱くものではない。



でも、今の気持ちを言葉するなら…。



「可愛かったな…」



それがいちばん、しっくりくるのだ。



今頃、怯えて泣いているかもしれない。



婚約者だと勝手に決めたことに、腹を立てているかも。