冷酷王子は子リス姫を愛でる

初めて会った時もそうだった。



「私に対して怒鳴った女は、王妃とお前くらいだな」

「ごめっ…なさ…」



ウルっと涙目になって、恐怖の色に染まっている。



俺の噂が、ここまで彼女を怖がらせているのか。



慣れない花なんか送っても、所詮は恐怖が勝つんだ。



「助けられたことには、とても感謝している。望みがあるなら、なんでも叶えよう」

「なん、でも…?」

「ただし、婚約は絶対だ」

「そう、ですか…」

「時間はたっぷりある、考えおくといい」 


右手を上げると、話が聞こえない程度離れていたアレンがやって来た。



なんだよ、その顔。



「私は仕事に戻る。彼女を部屋まで送り届けてくれ」

「承知いたしました」



アレンの言いたいことは粗方予想がつくわけで。



彼女を送り届けてから、すぐに俺の執務室までやって来た。



「ちょっとちょっとー‼︎なんで途中で席立つわけ⁉︎上着かけてあげたりするとことか、いい雰囲気だなぁって思ってたのにぃ‼︎」


予想は当たっていた。