冷酷王子は子リス姫を愛でる

テーブルに置かれた手は、私と違って男の手。



中指と親指に、大きな石のついた指輪がある。



「昼食を用意した」

「あっ、ありがとうございます…。それとっ‼︎このお花のブローチ、とても可愛くて…着けるのがもったいないくらいです」

「礼だと言っただろう」



低い声は、落ち着いている。



でも、怖い。



この人の噂が、やっぱり頭のどこかにあって、それが消えないのだ。



「お体は…大丈夫ですか…?」

「あぁ」

「それは…よかったです…」



緊張で、うまく話せない。



殿下も話さないので、沈黙が度々訪れる。



「いつ、国に帰る予定だ?」

「明日には、この地を離れようかと…」

「そうか。では、マリーナル王国、第二王女キャサリン」

「はいっ?」

「お前を、私の婚約者とする。異論は認めない」

「えっ?なんで私…?」

「国に帰らず、この地に残るように」

「はい…?」

「腹が減ったな。たくさん食べるといい」



無視?



ねぇ、殿下、本気ですか⁉︎