冷酷王子は子リス姫を愛でる

先月はアンドリュー様がいなかったし、食堂で働いたりケンカしてしまったりで、そんなこと頭になかった。



今月は?



もう来ていてもおかしくない。



「うそっ…」

「気がつかなかったのですか…」

「えっ、先月気づくべきだったのよね⁉︎」

「はい…」

「ど、どうしましょう…。でき、てる…?」

「お医者様に見てもらいましょう‼︎」



女性のお医者様が、魔法で私の体を調べる。



妊娠の兆候は出ているらしい。



ドキドキする…。



「お腹に魔力を感じますね。ご懐妊かと」

「うそっ…。ど、どうしようっ‼︎」

「まずは殿下にお知らせしましょう。その後、陛下に」



慌ててやってきた仕事中のアンドリュー様は、珍しく髪が乱れている。



息を切らし、駆けつけてくれた。



私が横になるベッドに座り、手を握られる。



「お前は本当に最高だ‼︎」



興奮しているのが伝わってくる言葉は、いつもより大きな声。



ふふっ、喜んでくれている。



「殿下、正妃様は今が大事な時期。ムリはさせないでくださいね」

「あぁ、もちろんだ‼︎」



お医者様をリーナが見送りに行って、ジョアンは妊娠中の生活について調べ物をすると出て行き、部屋にはふたりだけ。



優しく抱きしめられる体には、もう一つの命が…。