キャシーの向かいに座り、ルールを説明する。



お互いのコマをスタート地点に置いて、魔力ルーレットを回す。



「あっ、イベントだ」

「もう一度回せる」

「やった」



しばらく、ふたりでゲームを進めた。



楽しくはない。



きっとキャシーも、同じ気持ち…。



「すまなかった」

「えっ?」

「お前の気持ちをわかっているつもりだったのだが…言い過ぎた。誕生日だったのに、嫌な思いをさせてしまった」

「いえ、アンドリュー様が言ったことは、きっと正しいのです。私が、おかしいのです…」

「そんな顔をさせるために結婚したわけではないのだがな…」

「ごめんなさい。軽率な行動をとってしまいました。アンドリュー様の妻だという自覚を、ちゃんとしないといけないのです…」

「本心は?」

「…………理解してるけど、アンディの頭でっかち…。バカ…。大嫌い…」

「はははっ、それがお前なのだ。キャシー、食堂への出入りを許可する。正妃として、兵士のための仕事をしてくれ」

「アンドリュー、様…」



こういうキャシーを好きになったのだと、忘れかけていたことを思い出した。



初めてのケンカで、初心に戻れた気がした