冷酷王子は子リス姫を愛でる

【アンドリュー】



キャシーの誕生日以来、シュナウトへ戻ることはなかった。



温泉計画は細かいところを除いて進め、後はもう任せるだけ。



「助かりました。また、お力を貸していただけたら嬉しいです」

「あぁ、後は頼んだ。いいものを作ってくれ」

「状況は逐一報告します」



こちらの国に別れを告げ、シュナウトへ戻る。



人の雇用もうまくいきそうで、帰りの馬車では不思議なほどに絡まれなかった。



おかげで予定より1日早く城へ着きそうだ…。



「帰りたくない…」

「珍しい。まだ引きずってんの?僕はリーナをどうやってデートに誘うか悩んでるよ」



引きずるだろう。



あの目、あの声のトーン。



俺も相当頭に血が上ったことは認める。



キャシー相手に怒鳴ってしまった。



せっかくの誕生日を打ち壊し、さらに何も言わずにシュナウトへ連れ帰った。



往復したせいで初めて魔力が尽きそうになり、次の日は寝込んだがな。