冷酷王子は子リス姫を愛でる

厨房には騎士の奥様たちがいた。



「入ってくる食材が毎日同じなの⁉︎」

「えぇ、昔からそのような感じだったので…」

「どうして変えようとしないの?あなた方は毎日同じご飯を食べられるのですか⁉︎」

「しかし前からこうですし、人数が人数なので…」

「私に任せていただける?明日の仕入れも見直して欲しいの」

「急にですか⁉︎」



今からお家に帰るジョアンに、仕入れ先に寄ってもらって食材の変更を頼んだ。



炊き出しを思い出すわ。



学校の給食の手伝いもしたことがあった。



「明日は朝からお邪魔しますね」

「えぇ、はい…」

「私のような立場の者がいたらやり辛いのはわかっています。しかし、旦那様たちのためなのです。ごめんなさい、ワガママよね」

「…………朝からお待ちしております、正妃様」



やってしまったと、食堂を出てから反省した。



どうにも『美味しいご飯』のことになると周りが見えなくなってしまう。



ジョアンが散々怒っていたことが、今なら理解できるわ…。