【キャサリン】



マリアンヌ様が城から出て行かれた。



どうやら、他国に嫁いだとのことで。



その辺はアンドリュー様が情けをかけたのだろうと、聞かなかったがわかった。



「側妃を他に譲ったと聞いたわ」

「はい、アンドリュー様がなされたことです」

「あの子は他の女を抱くこともできないの?腑抜けね」

「…………」



現在、国王陛下の第2妃様の部屋でお茶を飲んでいる。



この誘いには何としてでも出なければならないようで、かけられる言葉に耐えるだけ。



王妃様はまだ幾分マシなのだが、側妃様たちは、私が『正妃、次の王妃』というポジションが気に入らないのだろう。



とにかく当たりが強い。



「アンドリュー様のことを悪く言わないでいただきたいのですが。仮にも時期国王になられるお方ですので」

「へぇ、それは『次の王妃は私だから媚でも売っておけ』と言うこと?」

「いえっ、そういうことでは…」

「性格悪いわね、あなた。変な髪の色だし、何を着ても似合わないわね。黒のドレスでも着てみたらいかが?」



うん、耐えるのだ。