冷酷王子は子リス姫を愛でる

確か島国だったような。



温厚な国王と、豊かな海。



とても小さく、争いを好まない国。



「花嫁にするべきです」

「あぁ…」

「しかし、国王が側妃をと」

「相当後継が欲しいらしいな。俺が死ぬ前に」

「…………死なないために、彼女を手に入れるべきではないですか?」

「わかってる」



わかってはいる。



だけど、きっとあの女も俺を拒絶するだろう。



昨日は俺が何者かわからずと言ったところか。



思い出し、見つめる握られた手。



あの暖かさ。



俺だって欲しい。



この体が楽になるなら。



「側妃は適当に選べ。お前の親父にでも選ばせればいい」

「かしこまりました」



俺はあの茶色い瞳を無理矢理正妃にするのか。



そう思うと、心が痛んだ。



この感情はなんなのだろう。



情け?



そうか、同情か。



それにしても、あいつは何者なのだろう。