冷酷王子は子リス姫を愛でる

あの優しい手で、マリアンヌ様に触れるのかと思うと、胸が張り裂けそうなほど痛む。



抱きしめないで。



キスなんかしないで。



私だけに触れて。



「うわぁぁぁぁぁぁん‼︎」



デイジー様の胸で気が済むまで泣いた。



デイジー様がいて、本当によかった。



私ひとりだったら、この辛さを乗り越えられなかったかもしれない。



「リオ様は側妃を娶らないそうなの」

「そうですか、いいですね…」

「もう、確実にアンドリュー殿下が次の国王と決まっているから、リオ様にたくさん子がいてもいらぬ争いが生まれるだけですもの」

「私っ、子ども産むもんっ…。マリアンヌ様じゃなくて、私がアンドリュー様の子ども…」

「そうね、それが理想的ね。でも、仕方ないのよね…。アンドリュー様の立場では…仕方ない」

「わかってるけど苦しい…」

「うん、うん…」



デイジー様は、ひたすら私を慰めてくれた。



これ以上はもう耐えられない。



他の側妃なんて、もう連れてこないでほしい。



ターシャの気持ちが、痛いほどわかった。