お城に戻ってから久しぶりの一緒の夕食は、大きな部屋で食べることになった。




ふたりだけの空間ではなく、ジョアンやリーナ、アレン様や他のメイドさんたち。



むぅ…。



近くに行きたいのにぃ…。



「ジェードが頑張ってるみたいですよ。アンドリュー様の期待に応えたいって」

「そうか。褒美でもくれてやるか」

「喜ぶと思います」

「だといいのだが」


カチャカチャと、ナイフとフォークの音。



なんだか口数が少ないアンドリュー様。



疲れているのだろうか。



最近、私が寝てから部屋に戻ることが多くなったものね…。



「キャシー」

「はい?」

「今日…なんだが…」

「?」

「マリアンヌのところへ…行かなければならなくなった…」

「そう…ですか‼︎そっか、そう、ですよね…」

「すまない」

「どうして謝るのです⁉︎私はほら、覚悟はできてますし‼︎当たり前のこと、なので…。義務を…果たしてください。私はデイジー様と夜更かしでもしますね‼︎」



ひとりでいれる気がしない。



アンドリュー様がいないあの部屋に、ひとりで戻りたくない…。