冷酷王子は子リス姫を愛でる

こんなに父は小さかっただろうか。



威厳溢れるあの貫禄は?



「少し、昔話に付き合ってくれ」

「はい」



メイドが準備したワイン。



ふたりきりで一緒に飲むことなんて今までなかった。



親子っぽい…。



「お前の母の名はティナと言った」

「えぇ、存じてます」

「私が唯一愛した女だ。一目で恋に落ち、ムリに呼び寄せた。その頃、私にはカーミラや他の側妃もいたのだ」



カーミラとは、リオの母である王妃だ。



俺の母は第5妃だと聞いたので、それは想像のできる話。



「子どもができない他の妃たちは、お前がティナのお腹に宿った時に焦り、怒った。この大陸を統一するため、私も忙しかったのだ。それを理由にしてしまっては、元も子もないのだがな…」



あまり気にかけることができなかったと、父はワインを傾けながらポツリと言った。



そして、第3妃のテレサという妃が出てきた。



俺はその人を知らない。