決して浮気などではない。



私が好きなのはアンドリュー様。



フィン…どちらの彼もアンドリュー様なのだから。



「俺が間違いそうになったら、お前が止めてくれ。フィンはそれを信じて、俺とひとつになったのだから」

「もちろんです‼︎」



短かったもうひとりの彼との時間が、本当に終わったのだと…アンドリュー様の黒く染まった左目を見て実感した。



体にあった陣が全部消えていること、ピアスをしなくても平気なこと。



アンドリュー様は、やっと普通の生活が送れるようになったのだ。



こんなに喜ばしいことはない。



「もしかして、他属性とも触れ合えるのではないですか⁉︎」

「あぁ、たぶんな。リーナ、お前は風の属性だったな?触ってみろ」



あぁ、やっぱり少し違う。



いつものアンドリュー様なら、相手を傷つけるかもしれないと、拒否をするはず。



そういうところがフィンなのね。



「あのっ…」

「大丈夫だ」

「はい…」



何も起こらなかった。