その施設の管理は各国の王族や貴族がしてくれているみたいだけど、今の状況で堅苦しいことは遠慮したい…。



「私、乗り物酔いで死ぬのかしら…」

「そんなこと言ってると、フィンが出てくるからやめてくれ…」

「どうして…?」

「さっきから『気絶させるくらい激しく抱いてやろうか?』と、ろくなことを考えてないのでな…」



それだけは本当に勘弁。



今、これ以上揺さぶられたら…吐く。



「だから嫌いよ、フィン…」

「ははっ、拗ねたぞ」

「一生拗ねてればいいのよ…」



なんだか、フィンの扱いもわかってきた。



度々出てこようとするけど、私がバッサリと拒否をすると、それ以上は何も言わなくなる。



かわいいところもあるのだと、ようやくわかった気がするの。



きっと、私のことが好きなんだろう。



私が文句を言うと、よく『拗ねる』らしいのだ。



「アンドリュー様ぁ…」

「よしよし、可哀想に」



この旅ではこれでもかと言うほど甘えると決めている。