【キャサリン】



ハネムーンで浮かれていて気がつかなかった。



ここからターシャ様の国、リッカー国までは6日かかることを。



移動が、私の嫌いな乗り物だということを‼︎



「あぅぅぅぅ…」

「辛そうだな…」

「もう、やだぁ…」



アンディ専用の大きな馬車は横になれるくらい大きいし、中も豪華。



それに、普通の馬車よりも早いらしい。



揺れも、凄いのです…。



気持ち、悪い…。



「もうすぐ、今日の宿だ」

「んー…」



アンディの膝に横になり、頭を撫でられている。



あぁ、こんなに甘やかされたらダメになりそう…。



ひたすら『シャキッとなさい‼︎』というジョアンとは大違いです…。



馬車の中は現在ふたりだけ。



前の馬車にはアレン様と後ろの馬車には数人の護衛がいるし、リーナもアレン様と一緒の馬車に乗っている。



大所帯なのは、仕方がないのだけれど…。



お忍びではなく、大々的な『ハネムーン』で、道中の宿泊先も、シュナウト王国で使用するために各地に建てられた豪華な施設だ。