そう思っても、いつもタイミングが合わずに見逃してしまう。



そして、ついにハネムーンへ出発だ。



「リオ、お前のことは頼りにしている。本当に頼んだぞ」

「大丈夫だってー。リチャードが結構詳しくてさ、いろいろ教えてもらえてるし」

「そうか、なら大丈夫か」

「でさぁ、話があるんだけど」

「どうした?」

「デイジー、いらないならちょうだい?」

「…………アレは、お前が遊びで手を出していい立場の女ではないぞ」

「んーと、俺の婚約者に、ちょうだいって意味」

「…………まぁ、話はわかった。帰ってからゆっくり話そう。一応、手は出すなよ?罪人になりたくないならな」

「その辺、しっかりしてるんでー」



どうやら、リオが恋をした。



その相手が、兄の婚約者候補。



まぁ、デイジー次第だろうけど。



俺は別にいい。



「兄上がいない間に、落とせばいいんでしょ?」



なんて、腹黒いことを言った弟こそ、腹の中に魔王を飼ってるんじゃないかと心配になった。