いろいろな事を思い出し、とりあえず状況の整理。



前の私は地球の日本という国に暮らしていて、若い頃は働いたし、大人になってから結婚して子どももいたし、孫もいた。



細かい事までは思い出せないけど、歳をとって病死。



普通に幸せな人生だったと思う。



前の名前なんかは思い出せないし、子どもや主人の顔だって思い出せない。



楽しかった記憶ばかりが、私の中に残っているようだ。



そして現在。



とてもとても小さい島、漁が盛んな小国の第二王女だ。



狭い国土と、田舎ということで国民との距離がとても近い。



国王の父は気が小さく、弟を産んで亡くなってしまった母はそんな父に苦労していたように思う。



「私が王女…」



2年前に姉が嫁いだのは、この小国『マリーナル王国』を守るためだった。



幸運なことに姉も私も弟も、母に似て容姿がいい。



海を挟んで隣の大陸の公爵様に猛烈アタックされ、嫁いで行った。