料理は任せて欲しいと言うので、城の厨房を使ってもいいと伝えた。



「私も美味しいご飯が食べたいわ‼︎」

「デイジー…。影から見てるの、バレていたぞ…」

「なんのことですの?」



熱い視線を感じていたが、デイジーだろうと放置していたのに…。



なんだか、疲れる女だ…。



「アレンと行ってくれるか?俺は執務があるので、出来たら声をかけてくれ。ルイの元へは一緒に向かう」

「わかりました。夕食の時間には間に合うようにいたします」



頼んだぞ、キャシー。



執務室に戻り、仕事に取り掛かる。



アレンにはキャシーの護衛を頼んでいるので、リオに補助してもらいながら。



「兄上、時間です」

「なんの時間だ?」

「サネル王子が国に帰るんですよ」

「あぁ‼︎そうか、見送りに出る」




サネルが国に帰るので、見送る。



着込み過ぎてモコモコになっている妻のターシャが、ペシペシとサネルを叩いていた。



ケンカか?



「ひどいよ、ターシャ…」

「うるさい。お前バカ。頭おかしい。賊に襲われて死ね」



ずいぶんお怒りだな…。