冷酷王子は子リス姫を愛でる

本当にすごい力だと思う。



2週間、魔力の放出をしなくとも、こんなに調子がいいなんて。



このキスだけで、どれほど持つのだろう。



だけど、旅の疲れははやり出るもので。



何事もなく帰って来て、キャシーにも何事もなかった。



安心すると、なんだか力が抜けてキャシーの肩に顔を埋めた。



「アンドリュー様…?」

「ん、疲れた…。早く眠りたい…」

「では寝所へ移動しましょう?」

「手を」

「ふふふっ、子どもみたい…」



手を繋いで同じベッドに入る。



抱きしめたら、キャシーが眠れなくなるだろうか。



引き寄せて、頭の下に腕を滑り込ませた。



「あったかい、アンドリュー様」

「アンディと呼べと言っただろう」

「『殿下』と言わないように必死ですから」

「キスされるから?」

「はい、恥ずかしいので…」

「ククッ、頑張れ」

「意地悪アンディ…」



俺の名前が熟したイチゴのように感じるのは、このキャシーの愛らしい声のせい。



甘い、甘い声。



「留守中、変わったことは?」



眠いのに、まだ眠りたくない。