俺も何か買おうか。



入った宝石店で、接客を受けて。



「殿下、マリアンヌ様とデイジー様にも」

「買わなきゃダメなものか?」

「えぇ、そろそろウソでも気にかけているという証を」

「わかった。お前が選べ、アレン」

「かしこまりました」



なんだかしっくりこなかった。



キャシーは宝石より、別のものの方が喜ぶような気がして。



「サネル、次の街に寄ってもいいだろうか」

「別にいいけど。急ぎじゃないし」



サネルの許可ももらい、山の麓にある小さな街に立ち寄った。



ここはそんなに治安が良くない。



王族だとバレると厄介なので、変装をする。



寒さ対策のコートを脱ぎ、薄い皮のコート。




アレンも同じような服装に着替えた。



「俺はここで待ってるから」



サネルが食堂で待つといい、アレンとふたりでの行動。



貴族程度には見えるが、決して庶民には見えないだろう。



わかっているから、注意は怠らない。