それから、こちらで使っている道具や設備などを確認し、あちらの職人に作らせるために図面を作ったり。



来月、ここの若い職人が来るタイミングで、準備は万端にしておく計画を立てた。



「家もこちらで用意しよう。メイドをつけるので、食事なんかの面倒は頼めばいい」

「「メイドー‼︎」」

「どうかしたのか…?」

「いやぁ、俺たちみたいな平民にメイドがつくなんて、夢にも思ってなかったもんで…」



待遇は悪くないように、住みやすいように。



貴重な人材には、それなりの対価が必要だ。



「では、国王様、来月の結婚式、お待ちしています」

「うん、うちのキャサリンをよろしくね」



とんとん拍子で話が進んで、ホッとして。



船で3日かけて大陸に降り立った。



「へぇ、この辺は鉱山が有名なのか」

「あぁ、来たルートと違うルートで帰ってるから、行きには通らなかった道だ」

「ねぇねぇ、宝石もいっぱいあるんだろ?」

「まぁな。この先に宝石店街があるが、行ってみるか?」

「行く‼︎ターシャにお土産買っていく」



ターシャとは、サネルの正妃だ。