【キャサリン】



殿下と話して、やっと目が見れた気がする。



いろいろ考えて、あまり眠れなかった。



殿下は私を必要としてくれていることがわかって、なんだか楽になった。



私を選んだ理由がハッキリしたことで、殿下との関わり方が要約わかった気がするのだ。



「リーナ、味見してみて‼︎」

「何という料理ですか⁉︎」

「カニ玉‼︎カニと卵とお野菜が入ってるの。こっちはカニピラフで、これがキングチキンのトマト煮込み。トマトは赤いものだと思っていたから、不思議な感じがするわ」

「んー‼︎これ美味しいっ‼︎こっちも美味しー‼︎」



王宮で食べられる料理は、見た目にも美しく、味も上品なものが多い。



私が作るのは、家庭的なもの。



イチゴでムースも作ってみたけど、殿下は甘いものを食べるのかしら…。



「殿下に謁見の申し込みをしてきますね‼︎」

「お願い」



昨日は殿下の優しさに、つい泣いてしまった。



引き寄せられた背中に添えられた殿下の手が、味わったことのないくらい優しかったのだ。