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「もうすぐ結婚式かぁ~。いいなあ、中学生で結婚なんて明治大正浪漫って感じ!」

 期末試験の最終日、帰り支度を済ませた真央が寄ってきて耳打ちしてきた。

「んでも法律的にはまだ普通にカレカノだよ。うちの両親にだって話さないし、招待するのは梅咲君側だけだからね」

「でもいいじゃん! 絶対に素敵な結婚式だよ! なんてったって春の王子様だもん」

「まあねえ……」

 初めて梅の木から出てきたときの梅咲君を思い出す。

 あの神々しい、和とも洋とも少し違う、平安装束風の凛々しい出で立ち。

 梅咲君が言うにはあれは普段着なのだそう。普段着であんなに凛々しいなんて反則だ。

 結婚式ともなれば、きっともっと贅を尽くした美しい礼装なのだろう。想像するだけで気絶しそうである。

 そういえば、私はどんな格好をするのだろう……