「なんで知ってるんです? 専務」
とあやめに問われ、

 ほんとうに浮気してたのかっ、と衝撃を受けたが、そういう意味ではなかったようだ。

「たーかーくらさん~っ」
となにかを察したように、あやめは高倉を睨んだが、高倉は澄まし顔で言う。

「いえいえ。
 わたくし、あやめ様を見張っていたわけではございません。

 たまたま、知り合いが、あやめ様が男の方とドラッグストアにいるのを見たんです」

「……何故、あなたのお知り合いが私を知ってるんですか?」

 そう警戒しながら訊いたあやめに、いやあ、と笑ったあとで、高倉は、あやめに訊いた。

「言っていいんですか?」
と。

 あやめは少し考え、ん? という顔で高倉を見る。