「おかえりなさいませ、基様。 今、あやめ様の浮気を阻止してやりましたよ」 屋敷の玄関に入った瞬間、基は澄まし顔の高倉に言われていた。 いや、どうやって……と基が思っていると、 「いや、実はたまたまです。 私の知り合いが、あやめ様が男とドラッグストアにいるところを目撃して、通報してくれたんです」 と高倉は言う。 通報ってな……。 そのまま行きかけ、ふと気づく。 「待て。 お前の知り合いは、何故、あやめを知ってるんだ?」