恋は、二度目のキスのあとで―エリートな彼との秘密の関係―


「は?」
「そんなに不思議か?」

真面目な顔で聞く北川さんに、瀬良さんは少し笑いながら「いや、だって」と話し出す。

「北川さん、女性恐怖症なんですよね。なのに自らって……」
「俺だって仕事だったら話せる。まぁ、今はプライベートでだが」
「……は? え、付き合ってるんですか?」

〝まさか〟というニュアンスを出しながらも、瀬良さんからは完全に信じていないという雰囲気も感じなかった。

瀬良さんは素直で……悪くいえば単純だから、プライベートという単語から〝付き合ってる〟ととったらしかった。

そんな瀬良さんをじっと見たあとで北川さんが答える。

「友人だ。そうだな、白石」

急に視線を向けられてビクッと肩が跳ねた。
なんでだか緊迫しているように思える雰囲気のなか、居心地の悪さを感じながらコクコクとうなずいた。

「はい。そうです」

すると、そんな私を、信じられないといった顔で見ていた瀬良さんが、力の抜けた笑みを浮かべ、後ろ頭をかく。

「へぇ……意外。接点なんかないと思ってたのに……へぇ」

まるでショックを受けたように見える瀬良さんをただ見ることしかできずにいると、北川さんが言う。

「接点ならあるだろ」
「え」
「同じ会社に勤めている。それで十分だ」

はっきりと答えた北川さんを、瀬良さんはなぜか気に入らなそうな顔で見ていた。