恋は、二度目のキスのあとで―エリートな彼との秘密の関係―



「悪いな。瀬良。……それに、白石も」

なにに謝られているのかがわからず見ていると、北川さんは私に視線を向け「今日、こうしてふたりが話す機会を作ったのは俺だ」と説明した。

「え……」
「白石も瀬良も、お互いに本心を伝えるべきだと思った。わだかまりが残ったままだからお互いに意識せざるを得なくなり、循環が悪くなっていると。だから、瀬良にここに来るよう伝えた。感情的にならずにしっかり話し合え、と」

そうだったのか……と、まだ、どこかおかしい頭で思う。
確かに、偶然にしては過ぎていた気はしたけれど、北川さんが仕組んだことだったのかと納得する。

もう、呼吸は落ち着きを取り戻しかけていた。
背中を支えてくれている北川さんの手を感じると、大丈夫なんだと思えた。それが大きかったのかもしれない。

「そうですよ。もともとはアンタが俺を呼んだのに、なに邪魔してるんですか」

そう、気に入らなそうに言う瀬良さんに、北川さんはゆっくりと視線を戻し……目を伏せた。

「悪い。俺も邪魔するつもりはなかった。これは、白石と瀬良の問題であって、俺が口を挟むことじゃないし、どちらに肩入れするつもりもなかった。……でも」

そこで一旦切った北川さんが、瀬良さんを見る。

「悪い。瀬良。俺は、白石の泣き顔は見たくない」

そう告げた北川さんに、瀬良さんは一度黙った。でも、思い直したように口を開く。