泉に借りたTシャツが、ドボドボになるくらい、汗をかくような気がする


「杏ちゃんは、男の子連れてきてよ!この店女の子しかこないからさ?俺イケメンじゃん?男は僻んで店に来ないの」


そう自分で言う。
まぁ確かにかっこいいとは思うけど!!!!
そこじゃない!



「男だろうが、、女だろうが客は客やん?別に女の子だけでええやん」


そうそう。女の子に関しては、みんなに任せておけば、余裕や。


「誰からも好かれる店にしたいのーー!」


ほっぺを膨らませて、むっとする海斗さん。
その言葉でなんだか揺らいでしまった。


たしかに、あたしはマドリカで働いていて、わりとメルヘンな店内に甘いケーキ。
女の子はいっぱいくるけど、男の子はあまりこなかったりする。

男性層にもきて欲しくて、甘さ控えめのものを考えたり、デートで来やすいようにカップルメニューも考えた

カフェメニューもつくって、甘いもの以外の軽食もつくった。


女性層も男性層も、どっちも店にほしかった



その気持ちは痛いほど分かる


だから、あたしは海斗さんの申し出にうなずいてしまった。