東京に戻ったタイミングで、勤務先も晒名総合病院に移ったが、お互い夜勤がある仕事なので休みが合うことはあまりない。

それでも一緒に住んでいれば、過ごす時間は格段に増えた。

一緒に暮らすようになって知ったことはたくさんある。

陽翔はくつろぐときはいつも私を後ろから囲いこむように抱き締めて、髪や頬、耳と至るところに口付けをおとす。

今も夕飯の片付けを終えた私をソファーで自分の足の間に座らせ背後から抱き締めている。

背中に陽翔の体温を感じるこの体勢を私は気に入っている。

お腹の前に回された大きな手に自分の手を重ねる。