「本当に、なんで幸人が……」
幸人くんのお母さんの声が湿ってくる。
幸人くんが学校にこられなくなったのは、一学期が終わる少し前。
教室内である事件が起きた。
ある男子生徒が机の中に入れておいた財布の中から、お金がなくなった。
クラスのみんなが真っ先に疑ったのは、幸人くんだった。
幸人くんは校内の、いわゆる不良と呼ばれている人たちとよく一緒にいて、時々授業もサボったりしていた。
いつも髪の毛を金髪に染めていて、先生が注意してもピアスをつけて登校していた。
決して真面目とは言えない生徒。
先生からもクラスのみんなからも印象は最悪だった。
幸人くんは否定していたのに、誰も信じようとはしない。



