メリーゴーランドは空席

「最近元気がないみたいだけど、どうかしましたか?」

先生の思いがけない言葉に驚いた。
気づいていないと思っていたから。


「あ、あの……」


言葉が続かない。
少しの間、沈黙が続く。

「もし話したくなったら、いつでも話してくださいね」

先生は静かにそう言って、話題を変えた。
「今日は横峯くんのところに行くんですか?」

「はい、渡したいプリントとか授業のノートがあるので」
「いつも本当にありがとう。先生もまた横峯くんに会いに行きます」


先生と別れて、学校をあとにした。



横峯幸人くんの家は駅の近くに新しく出来たマンションの3階にあって、私はエレベーターに乗りこみ「3」と表示されているボタンを押す。