メリーゴーランドは空席

「花火、キレイだといいね」
私も空を見上げて花火を待つ。
「キレイっしょ!こんなに楽しい日の花火だし」
「幸人くんも楽しい!?」
私は嬉しくなって幸人くんに尋ねる。
「楽しいに決まってんじゃん!」
幸人くんの即答が更に嬉しくなる。




シュッ……ドーン!




花火が上がった。
「わぁ、キレイ!!」
暗い空に金色に輝く花火。
また花火が上がる。
今度はお魚や猫の形の花火だった。
「幸人くん、見て!可愛い!!」
夜空を指さして、幸人くんに話しかける。
「可愛い」
幸人くんがそう言って、ふいに私の手を握った。


え?


ポカンとした表情で幸人くんを見る。
幸人くんは私をまっすぐに見て、
「今日の葵、すげー可愛い」
と言った。


それからニッコリ笑って、私の耳元で
「いつも可愛いけど」
と囁いたので、私の耳がボッと赤くなった。